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マウスピース矯正とは?治療の流れや金額の目安を解説

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インビザラインとは?

歯科矯正をしたいけど歯に目立つ器具をつけなければいけないからと躊躇している方がいるかもしれません。しかしマウスピース矯正であれば、器具が透明でほとんど見えないため、目立たず矯正ができるようになりました。この記事ではマウスピース矯正とはどのようなものなのか、治療の流れや金額の目安、他の矯正との違い、メリット・デメリットなどについて説明します。

マウスピース矯正とは矯正装置を使用して歯を動かす矯正方法

マウスピース矯正とはアライナーと呼ばれる透明のマウスピース型矯正装置を使用して歯を動かしていく矯正治療です。それまで主流だったワイヤー矯正は歯に取り付けられた器具が目立つのが欠点でしたが、マウスピース矯正は器具が透明で目立ちにくいのが最大の特徴です。その他にも食事の際は取り外せることや痛みが少ないことなどの特徴があります。

マウスピース矯正の治療

マウスピース矯正の治療はどのように行われるのでしょうか。またどの程度の金額が必要なのかも気になるところです。治療の流れや金額、治療に必要な期間について説明します。

治療の流れ

マウスピース矯正で最初に行われるのはカウンセリングです。カウンセリングでは歯並びの悩みや治療に関する疑問などについてヒアリングが行われます。そしてヒアリングした内容に基づいて、治療内容や治療のメリット・デメリット、治療費用などについて説明されるのです。

カウンセリングの次は精密検査です。レントゲンやCTで歯並びを撮影する他、顔や口の写真も撮影します。マウスピースを作るための型もこのときに作ります。精密検査を行った後は、治療計画について具体的な説明が行われ、治療開始です。

治療中は一定期間ごとにマウスピースを変更します。治療中の通院は2週間から2か月に1回。治療期間中にも歯並びの型を取るブランドとそうでないブランドがあり、それによって通院間隔も変わってきます。

こうしてマウスピースで徐々に歯を動かしていきます。治療期間は数か月から2年程度。治療終了後は放っておくと矯正した歯が戻ってしまうので、リテーナーと呼ばれる器具で歯が戻らないように保定します。保定期間は1~2年です。

金額の目安

マウスピース矯正に必要な金額は10万円から100万円とばらつきがあります。前歯が中心の矯正の場合10~70万円、全体矯正の場合80~100万円程度です。

矯正治療のほとんどは自費診療になってしまい、健康保険が使えない点が高額になってしまう原因の一つ。矯正治療は病気の治療ではなく、審美を目的とした治療のため健康保険が適用されないのです。

またこの他にも必要な費用があります。まず治療前のカウンセリングや診断の費用が無料~7万円程度かかります。また治療後のリテーナー費用も無料~6万円程度かかります。無料とあるのは、これらの費用がすべて込みになっているところもあるからです。そのため表面上の金額だけではなく、内訳もよく確認するようにしましょう。

治療にかかる期間

治療にかかる期間は矯正内容によってまちまちです。部分的な矯正ですと2か月~1年、全体の矯正ですと1~2年程度かかります。また矯正治療終了後も1~2年はリテーナーを取り付けて、歯が戻らないようにしなければなりません。

代表的なマウスピース矯正のブランド

代表的なマウスピース矯正のブランド

マウスピース矯正にはいくつかのブランドがあります。もっとも有名なのはインビザラインです。インビザラインは1997年にアメリカで設立されたアライン・テクノロジー社によって開発されたマウスピース矯正で、日本でも広く導入されています。[注1]

インビザライン以外にもキレイラインやDPEARL、ピュアライン矯正などいくつかのブランドがあり、これらはインビザラインに対して格安マウスピース(LCM)と呼ばれています。

インビザラインは部分矯正も全体矯正も可能ですが、LCMは部分矯正が中心です。またインビザラインは最初に一度型を取るだけですが、LCMは定期的に型を取らなければならないブランドもあります。そのためインビザラインの通院間隔が1~2か月に1回であるのに対して、LCMは2週間~1か月に1回と通院間隔も短めです。

[注1]Align Technology - Our History https://www.aligntech.com/about

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治療内容が異なるその他の矯正

マウスピース矯正以外の矯正治療にはワイヤー矯正、裏側矯正、インプラント矯正があります。それらの矯正がどのようなものなのかについて説明します。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正はブラケットと呼ばれる器具を歯の表面に貼り付け、ブラケットにワイヤーを通し、ワイヤーの弾力で歯を動かす矯正で、従来から広く使われている手法です。器具を付けているとかなり目立つのが欠点ですが、現在ではブラケットが透明や白色で目立たない審美ブラケットも使われています。一度取り付けると外せないため、歯磨きが難しいのも欠点。またブラケットが凸凹しているためスポーツや楽器の演奏をすると口中を傷つけてしまうこともあります。その代わりマウスピース矯正と比べると、適用できる症例が幅広いのが長所です。

裏側矯正

裏側矯正はリンガルブラケット、舌側矯正とも呼ばれている手法です。ワイヤー矯正は歯の表側にブラケットを装着しますが、裏側矯正ではブラケットを歯の裏側に装着します。そのためブラケットが外からはほとんど見えません。また歯の裏側は唾液が多いため、通常のワイヤー矯正と比べて虫歯になりにくい長所も。

しかし歯の裏側にブラケットを装着するのは手間とコストがかかります。また歯の裏側にブラケットがあることで舌が動きが制限されて、発音がしにくくなることもあります。

インプラント矯正

インプラント矯正は歯科矯正用アンカースクリューという5~13mmの小さなネジを顎の骨に固定し、そのネジを支点にして歯を動かします。ネジは治療終了後に抜きます。天然歯の代わりに人工歯根を入れるデンタルインプラントとはまったくの別物です。

従来の矯正方法では他の歯を支点にして歯を動かしていましたが、インプラント矯正は自由に支点を作り出せます。そのため従来の矯正方法と比べて強い力で歯を動かせるほか、一部の歯だけを狙って動かすこともできます。そのため効率がよく治療期間の短縮が可能です。従来では手術が必要だった重度の上下顎前突(出っ歯や受け口)にも対応できる長所があります。

マウスピース矯正のメリット

マウスピース矯正の一番のメリットは目立たないことです。マウスピースが透明であるため、かなり意識して見ないと装着していることに気付きません。またマウスピースは樹脂製ですから金属アレルギーを持つ方でも、問題なく使用できます。

食事中はマウスピースを外せるため、ワイヤー矯正のようにキャラメルが食べられないなどといった制限はありません。歯磨きもマウスピースを外して行えるため簡単です。

ワイヤー矯正ですと、スポーツや楽器を演奏すると口中の粘膜を傷つけてしまうことがあります。マウスピース矯正の場合はそういう心配もありません。

マウスピース矯正のデメリット

しかしマウスピース矯正もいいことばかりではありません。マウスピース矯正のデメリットをいくつか挙げてみます。

まずマウスピース矯正では矯正できないケースもあります。抜歯して大きなスペースが空く場合や重度の叢生(凸凹)がある場合、顎変形症(顎のズレ)の場合などです。

食べ物に制限がないのはマウスピース矯正のメリットでしたが、一方で食事をする際は必ずマウスピースを外さなければいけません。マウスピースを装着したままの飲食は、水だけにしておいた方が無難です。お茶やコーヒーでも、マウスピースに色がついてしまうからです。

マウスピース矯正は自分自身でマウスピースを外せます。そのため本人の装着努力が不可欠です。通常1日20時間は装着しないといけませんが、装着時間が足りない場合、治療期間の延長や、追加費用が発生してしまう可能性があります。

他の矯正を選ぶケース

さまざまなメリットが多いマウスピース矯正ですが、マウスピース矯正ではなく他の矯正を選んだほうがよいケースもあります。そういったケースについて説明します。

ワイヤー矯正を選ぶのはこんな場合

ワイヤー矯正を選んだほうがよいのは、抜歯して歯の移動量が大きい場合や顎変形症がある場合など。なぜマウスピース矯正でこれらの対応が難しいのかというと、ワイヤー矯正がワイヤーで歯を平行に引っ張って動かしていくのに対して、マウスピース矯正は歯の頭に力をかけ、歯を傾けて移動させていくからです。このため大きなスペースがあると歯が大きく傾いてしまうのです。

裏側矯正を選ぶのはこんな場合

裏側矯正にした方がよいケースは、マウスピース矯正よりもさらに目立たせたくない場合。マウスピース矯正もかなり注意して見ないとマウスピースには気付きませんが、完全ではありません。しかし裏側矯正の場合は歯の裏側をのぞかない限り矯正していることはわからないでしょう。

またマウスピース矯正の場合、装着中は気軽に飲食ができません。そういう煩わしさが嫌だけど目立つ矯正はしたくないという方にとっても、裏側矯正はメリットがあります。

インプラント矯正を選ぶのはこんな場合

インプラント矯正を選ぶケースは、手術が必要な重度の上下顎前突などの場合です。またインプラント矯正は他の手法と比べて治療期間を短縮できるメリットがあるため、治療を急ぐ場合もインプラント矯正が選択肢に入ってきます。

まとめマウスピース矯正を理解して、自分に合った矯正を選ぼう

マウスピース矯正には今までのワイヤー矯正では実現できなかったようなメリットが多くあります。一方でマウスピース矯正では矯正できないケースがあるのも事実。あきもと歯科では患者様の症例に応じて最適な矯正治療を提案しています。歯並びでお悩みの方はお気軽に相談してみてください。

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